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この記事では「医師の年収」について解説していきます。
結論、医師の年収は高いのは事実ですが、年齢や地域によっても異なります。
医師について知るなかでわかりづらい「医師の年収」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「医師の年収の高さ」の説明や、「医師の年収の現実」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで医師の年収について知っていただければ幸いです。
また、この記事では医者の転職について紹介しています。
目次
医師の平均年収とは?

令和元年の厚生労働省 賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は1,169万円、平均月収は91万円です。
同調査によると社会人の平均年収は436万円なので、医師の年収は他の平均年収の2倍であると言えます。
これは医師全体の年収を平均したもので、医師の中でも役職や開業などによってさらに年収が増える傾向にあります。
よく「医師は高収入である」と言われますが、これは統計的に見ても事実なのです。
医師の年収を徹底比較

ひとくくりに医師といっても、年収は個人や地域の条件によって様々です。
そこで、もう少し具体的に掘り下げて医師の年収について調べてみました。
ここからは、次の条件ごとに年収の比較をまとめましたのでご覧ください。
- 性別での比較
- 勤務種別による比較
- 年齢による比較
- 都道府県ごとの比較
早速1つずつ見ていきましょう。
性別での比較
男性と女性の医師では年収に違いがあるのか、表にまとめて比較しました。
年収 | 男性 | 女性 |
800万円未満 | 3.8% | 22.0% |
800万円以上1000万円未満 | 4.9% | 17.2% |
1000万円以上1200万円未満 | 8.2% | 14.7% |
1200万円以上1400万円未満 | 9.3% | 12.6% |
1400万円以上1600万円未満 | 13.6% | 10.2% |
1600万円以上1800万円未満 | 13.8% | 8.3% |
1800万円以上2000万円未満 | 11.9% | 4.0% |
2000万円以上2200万円未満 | 12.4% | 5.9% |
2200万円以上2400万円未満 | 4.5% | 0.8% |
2400万円以上2600万円未満 | 4.9% | 1.1% |
2600万円以上2800万円未満 | 2.9% | 0.8% |
2800万円以上3000万円未満 | 2.9% | 0.5% |
3000万円以上 | 6.9% | 1.9% |
(引用:医師の年収・給料はどのぐらい?1,855名の医師の最新アンケート調査)
男性医師の年収
男性医師の平均年収は1600万円〜1800万円で13.8%の割合を占めています。
僅差なのが1400万円〜1600万円で13.6%です。
また、1400万円〜2200万円の層が全体の半数を占めていることも見て取れます。
女性医師の年収
女性医師で最も多いのは800万円未満で22%の割合。
1600万円未満が全体の60%を占めており、全体的に男性医師よりも年収が低いことが見て取れます。
背景としては、女性は男性に比べ、育児や出産などにより勤務時間や日数に制約がある場合が多いことが原因と考えられます。
勤務種別による比較
大学病院や病院、クリニックなどで勤務する勤務医と、開業医の間でも年収の差が見られます。
比較した表をご覧ください。
年収 | 勤務医 | 開業医 |
800万円未満 | 22.6% | 17.3% |
800万円以上1000万円未満 | 10.5% | 6.4% |
1000万円以上1200万円未満 | 10.3% | 9.1% |
1200万円以上1400万円未満 | 8.7% | 10.0% |
1400万円以上1600万円未満 | 13.2% | 5.5% |
1600万円以上1800万円未満 | 11.5% | 9.1% |
1800万円以上2000万円未満 | 8.9% | 10.9% |
2000万円以上2200万円未満 | 6.6% | 4.5% |
2200万円以上2400万円未満 | 1.9% | 1.8% |
2400万円以上2600万円未満 | 2.3% | 3.6% |
2600万円以上2800万円未満 | 1.3% | 1.8% |
2800万円以上3000万円未満 | 0.5% | 3.6% |
3000万円以上 | 1.9% | 16.4% |
(引用:医師の年収・給料はどのぐらい?1,855名の医師の最新アンケート調査)
勤務医
勤務医は800万円未満が22.6%、その次に多いのが1400万円〜1600万円未満で13.2%となっています。
2000万未満の項目に平均的な割合で分布しているのが勤務医の年収の特徴です。
開業医
開業医は最も多いのが800万円未満で17.3%ですが、その次に多いのは3000万円以上で16.4%となっています。
全体的に見ても勤務医と比べばらつきが非常に大きい結果です。
開業医は勤務医に比べ大幅に年収が上がる可能性も大きいですが、勤務医の年収以下に下がってしまうリスクもある実態が見て取れます。
年齢による比較
医師の年齢によっても年収は異なります。
全体的に言って、医師は年齢が上がるごとに年収が上がっていく傾向にあります。
具体的な比較は、次の表からご覧ください。
年齢 | 平均年収 |
20~24歳 | 4,744,800円 |
25~29歳 | 7,517,300円 |
30~34歳 | 9,523,600円 |
35~39歳 | 11,972,500円 |
40~44歳 | 13,404,300円 |
45~49歳 | 15,721,400円 |
50~55歳 | 17,042,700円 |
55~59歳 | 17,447,200円 |
60~64歳 | 18,263,400円 |
65~69歳 | 16,094,200円 |
(引用元:賃金構造基本統計調査)
20代
医学部は6年制のため、病院勤務は一番若くても24歳からとなります。
また初めは研修医として働くことになるため、20代前半の医師の収入は低めです。
研修を積み1人で現場に出られるようになる20代後半から収入が上がり始めます。
そのため、20代の平均年収は470万と一般的な社会人年収と変わらない結果となっています。
30代
30代は20代のうちに積んだ経験や知識を生かし現場で活躍する時期で、当直や残業が増える年代でもあるため収入が上がります。
またキャリアアップを考え始める時期でもあり、より収入の高い勤務先への転職や開業をする人が多い年代です。
そのため20代に比べ、平均年収が飛躍的に上がる結果となっています。
40代
40代は、医師のキャリア的に見ても一番勢いのある年代です。
平均年収も30代からさらに上がる結果となっています。
その一方で、転職や開業を考える場合には40代が最後の一区切りとも言われています。
そのため、40代での選択が50代以降の年収を左右しているとも言えるでしょう。
50代
50代は安定したキャリアに就いている人が多いことが特徴です。
院長や病院経営など、管理側に回る人が大半となり、キャリアアップに伴い年収も安定したものとなります。
60代
60代になると50代と比べ平均年収が少し下がりますが、安定して高年収を保っていることがわかります。
この年代はキャリアアップよりも、自身のライフスタイルの充実に重きをおく人もおり、働き方が多様な分、年収も様々です。
都道府県ごとの比較
地域によっても医師の年収は異なります。
都道府県別の平均年収を表にしましたのでご覧ください。
都道府県 | 男性 平均年収 | 女性 平均年収 |
北海道 | 10,302,900円 | 7,684,400円 |
青森 | 11,982,900円 | 5,995,500円 |
岩手 | 17,386,000円 | 11,894,000円 |
宮城 | 13,443,700円 | 11,581,800円 |
秋田 | 6,886,300円 | 7,001,300円 |
山形 | 10,529,500円 | 6,125,800円 |
福島 | 11,280,400円 | 14,085,200円 |
茨城 | 10,327,300円 | – |
栃木 | 10,634,500円 | 7,828,700円 |
群馬 | 10,594,100円 | 9,867,700円 |
埼玉 | 13,515,800円 | 10,120,400円 |
千葉 | 11,540,500円 | 9,742,900円 |
東京 | 11,068,100円 | 11,228,400円 |
神奈川 | 13,190,500円 | 11,801,400円 |
新潟 | 12,070,000円 | 11,552,200円 |
富山 | 6,880,300円 | 8,446,000円 |
石川 | 9,563,100円 | 4,156,800円 |
福井 | 9,746,400円 | 8,737,500円 |
山梨 | 13,963,300円 | 12,119,900円 |
長野 | 16,020,600円 | 12,012,600円 |
岐阜 | 10,834,700円 | 7,844,000円 |
静岡 | 11,130,700円 | – |
愛知 | 13,509,700円 | 13,728,800円 |
三重 | 10,552,200円 | 10,821,700円 |
滋賀 | 10,584,400円 | 10,850,300円 |
京都 | 12,960,200円 | 16,452,700円 |
大阪 | 13,660,500円 | 8,044,600円 |
兵庫 | 11,672,800円 | 8,036,500円 |
奈良 | 11,490,600円 | 10,666,400円 |
和歌山 | 7,580,900円 | 5,591,100円 |
鳥取 | 7,539,600円 | 8,146,800円 |
島根 | 8,308,600円 | 6,331,900円 |
岡山 | 14,606,900円 | 7,556,000円 |
広島 | 8,492,900円 | 8,540,400円 |
山口 | 15,671,800円 | 9,320,800円 |
徳島 | 14,496,400円 | 8,851,900円 |
香川 | 10,630,200円 | 8,276,500円 |
愛媛 | 13,638,100円 | 9,829,000円 |
高知 | 14,070,700円 | 7,020,000円 |
福岡 | 14,122,100円 | 7,442,500円 |
佐賀 | 6,901,200円 | 8,416,600円 |
長崎 | 16,205,600円 | 13,564,000円 |
熊本 | 15,685,200円 | 13,478,500円 |
大分 | 12,932,400円 | 6,754,900円 |
宮崎 | 9,914,200円 | 4,734,200円 |
鹿児島 | 20,737,600円 | 10,120,800円 |
沖縄 | 15,496,100円 | 14,527,200円 |
(引用元:賃金構造基本統計調査)
都心
多くの職種では、都心の方が地方に比べ年収が高い傾向にありますが、医師の場合はそうとも言えない状況が見られます。
人口密集地である首都東京の平均年収を見てみると、男性医師の場合は1100万円程度です。
他の都心を見ても、大阪は1300万円、福岡は1400万、と都心が特別年収が高いわけではない結果となっています。
東京の医師の年収が低めな理由は、患者も多いが医師の数も多いという点にあるようです。
地方
全国で一番医者の年収が高いのが鹿児島で、2000万円です。
その次が岩手、長崎と続くことから、人口が多い地域の年収が高いわけではないことが見て取れます。
地方の医師は人手不足になりがちで、需要も増え給与が高くなることが原因でしょう。
また医師が不足している分、労働時間も多いことが平均年収の高さにつながっているとも考えられます。
医師の年収が高い理由

ここまでで具体的な数字から医師の年収の実情が理解いただけたでしょう。
それでは、そもそも医師の年収はどうして高いのでしょうか?
それには次の5つの理由があります。
- 社会的な需要が高い
- 責任が重い
- 公的に保護された存在である
- 参入障壁が高く競争が起きない
- 労働時間が長い
1つずつ詳しく解説していきます。
社会的な需要が高い
医師は社会的な需要が高い、という点は年収が高い1つの理由です。
医師というと病院内で働くイメージが強いですが、一般病院以外でも医師の雇用を求める場面は多くあります。
例えば、企業が雇う産業医や、製薬会社・保険会社などで医療専門家としてのポストも存在します。
また、医師は誰もが必要とする職業であるという意味でも需要が高いです。
他職種の場合、提供するサービスや商品を一生のうち一度も利用しない人がいることも珍しくないでしょう。
しかし、医師は出産から老後の疾患まで全ての人が頼りにする職業ですそのため他職種よりも需要が高く、年収も高くなる傾向にあるわけです。
責任が重い
医師の業務のほとんどは国家資格である医師免許を持った人だけが行えるもので、その責任の重さも年収の高さの理由となっています。
例えば投薬や治療行為の判断は医師の経験と知識に委ねられており、その判断は命にも関わる重大なものです。
患者に万一のことが起これば、その責任は医師が負うこととなります。
どの職種にもプレッシャーはありますが、医師の場合は人の命を負うという最高度のプレッシャーを抱えながら仕事しているため、その代価として給与も高いのは当然と言えるでしょう。
公的に保護された存在である

医師不足は、国としての問題にもつながるため、医師という職業は公的に保護されています。
各都道府県は厚生労働省の医師確保計画策定ガイドラインを元に、医師確保の施策を定めています。
このように公的に医師の需要が認められ、極端に減少しないための施策がとられていることも、医師の年収が高いことの理由の1つです。
参入障壁が高く競争が起きない
参入障壁が高く競争が起きないため、医師の存在は貴重で、年収が高くなるという理由もあります。
医師になるためには医学部を卒業する必要がありますが、医学部受験の難しさは言わずとも広く知られているでしょう。
また医学部は6年制で卒業に要する期間も長く、卒業してもさらに研修医として経験を積む必要があります。
医師は求められる学力や要する期間ゆえに、誰でもなれる職業ではないのが現実です。
その分、その難関を乗り越え医師となった人は高い収入を得る可能性も大きくなるというわけです。
労働時間が長い
労働時間が長いことも医師の年収が高いことの原因の1つです。
医師は全体数が少ないにも関わらず需要が大きい職業のため、慢性的に人手不足の問題が存在しています。
本来であれば2交代や3交代制で当たるべき業務でも、1人の医師が日勤業務を終えてそのまま当直に入る場合も少なくありません。
入院患者の急変や救急患者の搬送があった場合には、夜間であっても医療に当たる必要があり、24時間神経を研ぎ澄ましていることが求められます。
休憩中でも緊急の対応に当たらなければならず、食事もままならないという医師も多くいます。
労働時間から見ても、医師は激務な職種ゆえに年収が高いというのも納得できるでしょう。
医師の年収の現実とは?

医師の年収が高い、と聞くと「医師を目指したい」「羨ましい」と思う人もいるでしょう。
しかし、現実的な側面もあることを知っておかなければいけません。
次の3つの点から医師の年収の実態を解説します。
- アルバイトをして収入を維持することが多い
- 労働時間に対して給与が低く不満感が残る
- 研修医の間は給与が低い
1つずつ詳しく見ていきましょう。
アルバイトをして収入を維持することが多い
医師転職研究所の調べによると、医師のうちアルバイトや副業をしている人の割合は全体の68%にものぼります。
勤務医の給与は医療機関によってまちまちですが、1つの勤め先では生活が維持できないという理由でアルバイトをする医師も少なくありません。
また医学部の学費も高額なため、学生時代の奨学金を早いうちに返還したいという理由でアルバイトをし、収入を増やそうとする医師もいます。
医師は高給与ではあっても、アルバイトがその収入を支えている場合も少なくないのが現実です。
労働時間に対して給与が低く不満感が残る
医師の年収が他の職種より高いとは言っても、その労働時間と比較すると、決して高いとは言えないという声もあります。
実際に現場で働く医師は24時間対応を求められることも少なくありません。
緊急時には深夜でも呼び出しがあり、定休日などもなくプライベートの時間が多く取れない職種です。
そのため、高収入であっても割に合わないと感じる医師もいるのが現実です。
研修医の間は給与が低い
研修医の1年目の給与は平均400万円程度で、それほど高くはありません。
研修医はまだ半人前の医者とみなされるため、実践経験を積みながら医師としての勉強も続けていかなければいけないのです。
研修医も他の医師と同様に夜間待機当番や救急当番もあり、激務ですが収入は一般のサラリーマン並み。
卒業してすぐに高給与がもらえるわけではない、という点は知っておくべき現実です。
医師の年収を知っておこう

この記事のポイントは次の通りです。
- 医師全体の平均年収は1,169万円
- 勤務医と開業医の差は大きい
- 年収は年齢ごとに上がっていく傾向がある
- 存在が希少であるゆえに年収が高い
- 医師にも収入の現実的な問題点がある
医師は高収入な職種とよく言われますが、高収入なのにはそれなりの理由があります。
参入障壁が高く、医師になってからも激務でプレッシャーが大きいという点は高収入の代価と言えるでしょう。
この記事で、医師という職業と年収の実状についての理解が深まれば幸いです。