16 min 628 views

インプラント治療はローンで月々の費用を抑えられる!審査基準や金利について解説

本サイト(記事)について
※医師コンテンツについて専門家に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
※体験・口コミについては体験者から頂いたコメントを編集して掲載しています。
SNS投稿にはプロモーションが含まれています

『インプラント治療に興味があるけど、金銭的に難しいかも…』
『歯医者さんの治療でもローンが組めるって本当?』
『ローンって審査が厳しそう…わたしにも使えるのかな?』
『デンタルローンってそもそもどんな仕組みか全然分からない!』

こんなお悩みをお持ちの方、きっとたくさんいらっしゃいますよね。

本記事では、インプラント治療などの高額な歯科治療をサポートしてくれる心強い味方【デンタルローン】について詳しく解説いたします。

デンタルローンのそもそもの仕組みから、利用するメリットやデメリット、申請時の審査についてもなるべく難しい言葉を使わず、わかりやすくご説明いたしますので、ぜひ最後までご覧ください◎

\先読み!本記事の要点まとめ
  • 歯科治療用のローンの中では提携デンタルローンが一番金利が低い
  • 金利が低い分クレジットカードローンやフリーローンよりも審査は厳しい
  • 専業主婦の方・アルバイトの方は連帯保証人が必要になる可能性が高い
  • デンタルローンの支払い分は医療費控除の対象となる
  • クリニック提携会社がなくとも銀行デンタルローンなどの他の選択肢がある
  • デンタルローンは頭金不要、最大84回まで分割支払いが可能
  • 上手に利用するとインプラントなどの高額治療を諦めずに受けられる!

インプラント治療に使えるデンタルローンとは

ローンの文字の積み木

“ローン”と聞くと、なんだかちょっぴり怖いような、よく分からないからこそ手を出しづらいイメージがありますよね。

まずは、【デンタルローン】というものがそもそもどういった制度なのか、その基本の部分を解説いたします◎

デンタルローンとは?

インプラント治療・歯列矯正・セラミック治療など、高額な歯科治療を受ける際に利用できる特別なローンのこと。
『ローン=金融機関に一時的に支払いを立て替えてもらい、毎月一定額を返済する仕組み』で、治療費を一括で支払うことが難しい場合に患者の手助けとなる制度

後の章でさらに深掘りしていきますが、デンタルローンは一般的なお買い物などで使用するローン契約とは違い、歯科医療にまつわる支払いに限定された制度となります。

デンタルローンは主に2種類

デンタルローンとひとくちに言っても、実は歯科クリニックが提携している『提携デンタルローン』と、銀行などの金融機関が設けているいわゆる『銀行デンタルローン』の2種類に分けられます。

この2つは似ているようで仕組みや金利(※)、審査の基準に細かな違いがありますので、まずはこの大切なポイントをおさえておきましょう。

※金利とは…
借り入れた金額に対して、どれくらいの利息・利子が発生するかの割合のこと

提携デンタルローン

\提携デンタルローンの特徴/
  • 金利:約4~8%
  • 申請方法:かかりつけの歯科クリニックで申し込み可能
  • 審査基準:銀行デンタルローンより通りやすい
  • 分割回数(返済期間):6回~最大84回が選択可能

提携デンタルローンの場合、わたしたち患者と信販会社・クレジット会社、そして信販会社と提携している歯科クリニックとの三角関係で成り立っています。

  1. 患者が信販会社と契約する
  2. 信販会社が歯科クリニックへ一時的に治療費を立て替える
  3. 歯科クリニックが患者へ治療を行う
  4. 患者が元金+利息を分割した金額を毎月信販会社へ返済する

審査は銀行デンタルローンより通りやすく、金利もおおよそ5%前後と低めに設定されているところがポイントです。

かかりつけのクリニック内で申し込みが可能なため、銀行などに出向く必要は無く、お忙しい方でも大抵の手続きは難なく進めることができるでしょう。

クリニックによっては金利手数料を負担してくれることもあるので、そういった場合はかなりオトクに利用することができます◎

銀行デンタルローン

\銀行デンタルローンの特徴/
  • 金利:約2.5~8%
  • 申請方法:銀行などの金融機関やオンラインで申し込み可能
  • 審査基準:提携デンタルローンより通りにくい
  • 分割回数(返済期間):10~15年程度(銀行により異なる)

銀行デンタルローンの場合、患者と銀行が個別で契約を結ぶため、歯科クリニックと金融機関には直接のかかわり合いはありません。

  • 患者が銀行と契約する
  • 金融機関から患者の口座に資金が振り込まれる
  • 患者はその資金で歯科クリニックで治療を受ける
  • 元金+利息を分割した金額を毎月金融機関へ返済する

申し込みの際は、まずかかりつけ医にインプラント治療の見積書を作ってもらう必要があり、それを持参して銀行の店頭窓口またはウェブサイト上で手続きを行います。

審査は提携デンタルローンに比べると厳しい目でチェックされる傾向にあります。

なお、借入人(患者)の金銭的な現状や借入金額によっては、上記のように提携デンタルローンよりも金利が低くなる場合もあります。

ただし、今現在デンタルローンを取り扱う銀行はまだあまり多くありません。
審査に通らなかった場合、ぐっと金利は高くなってしまいますが、審査が誰でも通りやすいフリーローンの契約も視野に入れて再度探してみるのも一つの手ですね。

デンタルローンのメリット・デメリット

マルとバツのパネル

次にこの章では、デンタルローンを利用する際のメリット・デメリットについて解説していきます。

わたしたち患者側をサポートしてくれる心強いローン制度ですが、契約を交わす前に良い面だけでなく悪い面もしっかり知っておくことで、後の金銭トラブルを防ぐことができますよ◎

デンタルローンのメリット

まずはメリット面から見ていきましょう。

\デンタルローンのメリット/
  • 一括での支払いが難しい高額な治療を受けることができる
  • 医療費控除の対象となる
  • 支払いの回数は最大84回まで選ぶことができる
  • クリニック内で簡単に手続きができる
  • 利用する金額を自由に設定することができる

上記のポイントについて、ひとつずつわかりやすく解説していきます。

一括での支払いが難しい高額な治療を受けることができる

一般的にインプラント治療や歯列矯正治療には、数十万円~数百万円という超高額な治療費が必要となるのですが、これだけの額をまとめてポンと支払える方はそうそう多くありませんよね。

「やってみたかったけど、あまりに高くて諦めた…」という苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

そこで強い味方になるのがデンタルローンです。

この制度を利用することで、月毎に分割した額を少しずつ少しずつ支払えるため、今現在手元にまとまった費用がない方でも自費診療にチャレンジできるようになるのです。

医療費控除の対象となる

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告を行うことによって所得控除が受けられる制度のことです。(※10万円~最大で200万円)

少し噛み砕いてご説明すると、インプラント治療や歯列矯正治療などを受けて高額な歯科治療費が発生した際に、税務署を通じて確定申告をすることによって、治療にかかった費用の一部が返ってくる、というものです。

インプラント治療にまつわる医療費控除の対象となる費用例は以下のとおりです。

医療費控除の対象となる医療費
  • 検査費用
  • 処置費用
  • 医薬品代
  • 治療に必要となる器具の購入・調整費用(矯正装置含む)
  • 公共交通機関を利用した際の交通費

歯科クリニックにおける一般的な治療はこの医療費控除の対象となります。
ただし、何らかの特殊かつ例外的な処置の費用、診断書の作成費用などは対象外です。
つまり、健康増進のために必要な治療であれば、大抵は医療費控除の対象と考えていただいてOKです◎

支払いの回数は最大84回まで選ぶことができる

分割支払いのメリットは、なんといっても月々の出費が抑えられることですよね。

デンタルローンの場合、支払い回数が6回~最大84回まで自由に選ぶことができるので、数十万という高額な治療であっても、月々の返済額を1万円以下に抑えることも可能なのです。

ただし分割にした場合、返済時に金利(利息/利子)が上乗せされるため、あまり回数を増やし過ぎると最終的な総支払額が膨れ上がってしまうことも…!

ですので、ご自身の収入などお財布事情とよく照らし合わせて考えることが大切ですよ◎

金融機関各社が作成したデンタルローンの支払いシミュレーションサイトも多々ありますので、ご興味のある方は一度チェックしてみてくださいね◎

クリニック内で簡単に手続きができる

これはデンタルローンならではメリットですが、かかりつけの歯科クリニック内でローン契約ができるので、あちこち移動して申請して…と動き回る必要がありません。

高額な治療になる&デンタルローンの取り扱いのあるクリニックの場合、ローンについてクリニック側から提案されることもありますし、診察の前後にスタッフさんに疑問点を聞きながら記入することもできますので、ローン契約が初めての方でも安心です◎

ローン提携先は、クリニックが取引のある金融機関によるデンタルローンに限定されることもあれば、逆に自由に選べることもあるので、あらかじめかかりつけ医や担当者の方に相談しておくことをオススメします。

利用する金額を自由に設定することができる

デンタルローンでは月々の出費を減らす分割支払いができるだけでなく、利用する金額を任意で設定することができるんです。

つまり、費用の一部は先に支払って残りを分割で支払う、ということが可能となります。

ここがポイント!

(例)治療費合計100万円の支払い予定。一括で支払うのは難しいため、デンタルローンを申請する、

全てを長期の分割払いにした場合
→100万+利息が上乗せされるため、最終的な支払額は当然ぐっと増える

先に50万円だけ支払い、残りの50万円を分割支払いにした場合
→50万+利息なため、①パターンよりも総支払額を抑えることが可能

借入する金額が大きければ大きいほど利息分も増えてしまうので、もし多少金銭的に余裕がありましたら、ある程度まとまった額を先に支払っておくことをオススメします。

デンタルローンのデメリット

お次はデメリットの面を見ていきましょう。

\デンタルローンのデメリット/
  • 誰でもローンを組めるとは限らない
  • パートの方などは連帯保証人が必要となる場合がある
  • 金利・利息がプラスされることで総支払額がかさんでしまう
  • 追加費用が発生しても対応してもらえない
  • デンタルローンの取り扱いが無いクリニックもある

上記のポイントについて、ひとつずつわかりやすく解説していきます。

誰でもローンを組めるとは限らない

これはデンタルローンに限った話ではありませんが、ローンの申請には必ず金融機関の審査があり、それに通る必要があります

残念ながら、誰でも申し込みをしたらすぐ利用できる!というわけではないのです。

例えば、収入が少ないor不安定な方は「月々の安定した返済が期待できない」と判断されたり、既に他社でもローン契約を結んでいる場合などは「他にも借金をしているなら返済が難しいのでは?」と審査に通りにくくなってしまいます。

また先述した様に、健康増進のための治療ではなく”見た目の美化が目的の治療”の場合も、ローンの条件の対象外となる可能性があるため、絶対にローンが使える!という確証はないのです。

ちなみに…
ローンを取り扱う金融機関によって、利用可能な条件などの細かな審査条件は変わります。
これはとても重要なポイントですので、審査については後の章で詳しく深掘りいたします!

パートの方などは連帯保証人が必要となる場合がある

お仕事上の雇用形態がアルバイトやパートの方の場合、金融機関によっては審査において保証人を付ける必要が出てくることがあります。

これがいわゆる連帯保証人で、「ちゃんとこの人は支払えると証明しますよ、でも万が一難しくなったら私が代わりに支払いますよ」という、お金関係の後ろ盾になってくれる人を確保しなければいけないんですね。

親御さんに頼める方、またご結婚相手などのパートナーに頼める方でしたら特段困らないかもしれませんが、ご親族とあまり交流の無い一人暮らしの方や、アルバイトで生計を立てている方にとって、これはなかなかの悩みの種になるかもしれません。

金利・利息がプラスされることで総支払額がかさんでしまう

金利・利息(利子)、これもローン返済においてとても重要なお話です。

メリットの項目でも何度か触れたように、『一般的なデンタルローン=一時的に金融機関に支払いを立て替えてもらうこと』です。

その立て替えてもらった分を返済する際には、利息(または利子)といって、わたしたち借り入れ側が金融機関へ払ういわゆる手数料のようなものが発生します。

金利自体は金融機関や契約状況によって変動しますが、これは支払いのたびに利息分も加算されるため、返済を長引かせれば長引かせるほど、上乗せする金額と総支払額が膨れ上がってしまうことになります。

そういったトラブルを防ぐためにも、ある程度先にまとめて支払うか、分割回数を少なめに設定することをオススメします。

いつの間にか利息だけでも支払いが大変になってしまった!なんてことにならないよう、返済計画はしっかりと立てる必要がありますね。

一般的なローン契約とは違い、医療にまつわる特殊なローンは金利が低く抑えられていることが多いです。

例①クリニック提携のデンタルローンの金利:約4~8%
例②金融機関のデンタルローンの金利:2.5~8%
例③フリーローンの金利:約5~15%

ローン契約において金利・利息(利子)は付き物ですが、こうして見比べるとデンタルローンを利用するメリットがよくわかりますね◎

追加費用が発生しても対応してもらえない

歯科治療をすすめる中で、「別のところに虫歯や炎症が見つかって、追加で治療が必要になった!」「せっかくのインプラント治療なんだから、使う材質を少し良い物に変更しよう」なんてことはよくありますよね。

その際は当然追加で治療費が発生するわけですが、デンタルローンで立て替えてもらえるのはあくまで初期の見積もり・契約締結の時点での金額分のみとなります。

つまり、追加費用が発生してもその分はデンタルローンは適用されず、個別に払う必要が出てくるのです。

デンタルローンの取り扱いが無いクリニックもある

全ての歯科クリニックでデンタルローンの取り扱いがあるわけではありません。

金融機関との取引を行っていないクリニックや、インプラント治療などの自費診療を積極的に実施していないクリニックでは、窓口で直接デンタルローンを申し込めないのです。

この場合は個人で各金融機関のローンを組むこともできますが、お手持ちのクレジットカードで分割支払いにされる方が多いかと思います。

しかし、クレジットカード会社の金利はフリーローンの率に近く、デンタルローンと比べるとかなり割高になってしまいますので、注意が必要です。

近年クレジットカード会社のローンやフリーローンの契約は、スマホひとつで簡単にできるようになりましたが、その手軽さの分金利が高く、利息の支払い金額が増えることをよく覚えておきましょう◎

インプラント治療の返済額は月いくら?デンタルローンと他の支払方法を比較

電卓の上にコストという文字の積み木が置かれている

この章では、インプラント治療に必要な金額を、デンタルローン・クレジットカードローンなどを利用した場合で比較して解説いたします。

提携デンタルローンとして一般的によく利用されるメジャーな会社(アプラスSBI新生銀行グループ)や、いわゆる銀行デンタルローンとして人気の会社(イオンプロダクトファイナンス株式会社)の違いを、具体的な数字の面で見ていきましょう。

インプラント治療は1本あたり30~50万円程度が相場とされています。
これに従って、各金融機関のシミュレーションサイトを使用し、月々の返済額がいくらになるのかを試算していきます。

\試算時の前提条件/
  • 借入額(ローン対象額)は50万円に設定
  • 支払い回数は12回に設定(クレジットカードローンの場合は12カ月での返済に設定)
  • 金利は一例として5%、8%、15%に設定して試算
  • 手数料方式は実質年率で試算
  • ボーナス返済の設定をしないものとする
  • 各社ともに2024年4月現在の条件によってシミュレーションを実行

(※表は横スクロールでご覧いただけます)

提携デンタルローン銀行デンタルローン一般的な
クレジットカードローン
借入額(ローン対象額)500,000円500,000円500,000円
金利(金利5%で試算)(金利8%で試算)(金利15%で試算)
支払い回数/期間12回12回12ヵ月
分割払い手数料13,650円21,930円41,542円
支払合計金額513,650円521,930円541,542円
初回支払金額42,850円44,530円45,129円
2回目以降の支払金額42,800円43,400円45,129円
試算サイトへのリンク計算サイトへ計算サイトへ計算サイトへ
※各社ともに2024年4月現在の条件によってシミュレーションをしています
※各社の金利はあくまで例の一つであり、実際のパーセンテージは個々人の状況により異なります
※小数点以下は切り捨てで表示しています

提携デンタルローンを利用した場合

提携デンタルローンと例として、定番のアプラスSBI新生銀行グループの試算サイトを利用しました。

金利は低めの5%と仮定したこともあり、分割払いの手数料は13,650円と、15,000円以下に抑えることができました。

金利15%のクレジットカードローン(フリーローン)と比較してみると、分割手数料だけでも約28,000円と大きな差が出ていることから、いかに提携デンタルローンがお財布にやさしいローン制度かがわかりますね!

月々の支払い額も約42,800円と、他の条件より毎月1,000~3,000円ほどオトクです。

12回と少なめの分割回数に設定しているため、月々の支払額が4万円を超えましたが、他の条件と見比べると明らかに月々の出費&最終的な支払の合計金額が抑えられています

こうして比較すると金利の低さがいかに重要かがよくわかります。

銀行デンタルローンを利用した場合

銀行デンタルローンは、知名度も高いイオン系列のイオンプロダクトファイナンス株式会社の試算サイトを利用しました。

金利は提携デンタルローンよりも高めの8%に仮定した結果、分割払いの手数料は21,930円と、一気に20,000円を超える結果となりました。

月々の支払い額は約44,000円で、クレジットカードローンに比べると低めなものの、提携デンタルローンの試算結果を見た後では高く思えてしまうかもしれません。

結果には少々差がでてきましたね。
とはいえ、あくまでもデンタルローンであるという安心感は大きいです。

クレジットカードローン(フリーローン)の場合

最後は一般的なクレジットカードローン(フリーローン)の例として、金利を15%と高めに設定した試算の結果です。

分割払いの手数料は41,542円と、なんと銀行デンタルローンの2倍にまで跳ね上がりました。

月々の支払い額は約45,000円、最終的な支払合計金額は約540,000円と、元の借入額から40,000円以上の増額に…!

12ヵ月の支払いに設定しているからこその結果ですが、これを24カ月に引き延ばすとさらに手数料がかさむことになるため、できることならばクレジットカードローンなどのフリーローンで高額&長期的な借り入れは控えたいところですね。

※院内分割について※

近年一部の歯科クリニックでは、金融機関などを通さずクリニック独自で分割支払いを受け付ける『院内分割』が利用できる場合があります。

契約条件や利用条件、金利や返済期間の設定などは歯科クリニック側が個別で決めているため、一概には言えませんが、『審査無し』『無利子(分割手数料無し)』『治療期間内に返済』という好条件で分割支払いができる場合もあります。

…と、これだけ見るとかなり魅力的なのですが、治療期間がそれほど長くないインプラント治療では返済期間が短いため、実はあまりメリットは大きくありません。

一方、治療期間が数年にも及ぶ歯列矯正治療などは、その期間分で治療費を分割できるため、利用するメリットは大きくなります。

院内分割を採用している歯科クリニックはまだあまり多くなく、条件もまばらなため別枠としてご説明しましたが、みなさまのお住いの近く、またはかかりつけのクリニックで無利子の分割支払いができたらとっても便利ですよね◎

デンタルローンの審査について

歯科治療用の器具が並んでいる

この章では、デンタルローンを申し込む際に誰もが必ず受けるローン審査』について解説していきます。

「審査ってよく聞くけど、結局どんな基準があって何を見られるの?」
「事前にどんな物を準備したらいいの?」
「審査の結果が出るまでにどれくらい時間がかかるんだろう?」

こんなローン審査にまつわるお悩みにお答えするべく、基本のキからできる限りわかりやすくご説明させていただきます◎

ローン審査に必要な書類

ローン審査に必要な書類は以下の2点です。

  • 申込書
  • 見積書

提携デンタルローンの場合、申込書はかかりつけの歯科クリニックの受付などでもらえますので、わからない点はスタッフさんに質問しつつ、書き漏れのないように全て記入しましょう。

銀行デンタルローンでは、各種銀行などの窓口で申し込み用紙がもらえます。

どちらもオンラインでの手続きが可能な場合もありますが、紙での申し込みの際は印鑑が必要になりますので、忘れずに用意しましょう。

見積書は、歯科医師に作成してもらう”どんな治療にいくらかかるか”が記載された書類です。

歯科クリニックでインプラント治療用の精密検査を行い、医師による治療計画に基づき今後必要となる全体的な費用を算出し、それらをまとめた書類が見積書となります。

見積書が確定しローン審査が通ったあとは、治療途中で追加費用が発生しても借入金額を増やすことはできません

こういったトラブルが起きないよう、医師に作成してもらった見積書は自分の目でも内容の漏れがないか必ず確認しておきましょう◎

申込書には、他の借入額などを記入する欄があります。
なんらかの事情で既に他社ともローン契約を結んでいる場合は、返済計画書を用意するなど審査の対策をとっておくことをオススメします。

ローンの審査基準

実はローンの審査基準は公にされておらず、内容も金融機関によってもまちまちです。

しかし基本的に重要視されるのは、主に以下の2点です。

  • 他の金融機関とのローン契約をしているか、借入額や残債、返済が延滞した記録があるか
  • 20歳以上で安定した収入があるか

金融機関としても、当然ながらしっかりと借りた分を返してくれる人としか契約を結ぶことはできません。

たとえ話になりますが、あちこちで借金をしていて収入が不安定、それでもって約束を破って全然返済できていない人に「ちょっとお金を貸してほしいんだけど…」と言われても中々Yesとは言えませんよね。

そういった点からも、他社でローン契約を結んでおらず、20歳以上で安定的な収入がある方は審査に通りやすいのです。

一般的には、氏名年齢、電話番号、勤務先などの基本情報のほか、家族構成、住居形態、雇用形態、年収などをチェックするところが多いようです。
また低金利の好条件であればあるほど、審査の基準は厳しくなるとも言われています。

ローン審査にかかる時間

ローン審査にかかる時間は意外と短く、おおよそ1日です。

土日祝と重なっていたり、審査基準上なんらかの理由で多少遅れることもありますが、一般的には翌日~翌々日には結果が出ます。

なお、電話かメールで結果を知らせてもらえるので、お仕事の都合などで電話に出られない場合はあらかじめ事情を伝えておくなど留意しましょう。

こうして審査が無事に通ると、やっと治療がスタートします。

このとき金融機関から歯科クリニック側へも審査の結果が連絡されますので、こちらから電話する必要は基本的にはありません。

デジタルローンの審査に通らない可能性がある人

困った表情の女性

次はデンタルローン“審査に通らない可能性がある方”についてです。

前述の通り、デンタルローンは一般的なフリーローン(クレジットカードローン含む)よりも金利が低いため審査が厳しく、残念ながら審査に通ることのできない方も多くいらっしゃいます。

以下の方々はデンタルローンの審査についてでご説明した通り、特に注意が必要です。

  • 20歳以下で安定した収入のない方
  • 他社でローン契約を結んでいる方
  • 過去のローン返済時に延滞をしたことのある方
  • 専業主婦の方
  • 学生の方(大学生・専門学校生など)
  • 就業形態がアルバイト・パートの方
  • 過去にブラックリストに登録されたことのある方

デンタルローンに限らず、大抵のローン契約においては同条件になることがありますので、ぜひチェックしておいてくださいね。

専業主婦の方

専業主婦でご自身に安定した収入がない場合、返済能力がないと判断され、審査において不可とされる場合があります。
その際は配偶者の方に連帯保証人になってもらうか、配偶者名義でローンの申し込みをする方法もありますので、申し込み時に相談してみましょう。
逆にアルバイトやパートをされている兼業主婦の方は、ある程度の収入があるということで審査において有利になります。

学生の方(大学生・専門学校生など)

基本的に未成年の方はローンを組むことは出来ません。

2022年に成人年齢が18歳に引き下げられましたが、アルバイトをして収入があったとしても、インプラント治療や歯列矯正治療などの高額なローンの審査では不可とされることが多いです。

学生の方がローン契約を結ぶには、保護者の名義で申し込みをすると良いでしょう。またその際には、保護者の同意書または承諾書が必要となる場合もありますので、事前に準備しておくと手続きがスムーズに行えます。

就業形態がアルバイト・パートの方

一般的に、アルバイト・パートの方は収入が安定していない、もしくは収入が多くないと判断され、ローンの審査上不利になることが多いです。ただしアルバイトなどの非正規労働の方でも、高収入かつ、他のローン契約や過去に返済の延滞がない場合は審査に通ることもあります。


なお、ローンの借入額が収入の35%を超える場合は審査に通らない確率がかなり高まります。

過去にブラックリストに登録されたことのある方

過去のローン契約時にトラブルのあった方、または返済時に延滞・滞納されたことのある方は、金融機関の信用情報にその内容が記載されてしまいます。(これがいわゆるブラックリストです)

この信用情報は一社に限らず、他社でローン契約をする際にも参考にされますので、一度でもブラックリストに載ったことのある方は審査上かなり不利になるでしょう。

これらの信用情報は過去の借り入れ分の完済後5~10年は有効とされ、借金を返したからといってすぐにブラックリストから削除されるものではありませんので、特段の注意が必要です。

ブラックリスト入り待ったなし!金融事故にご注意を!

過去のローンの延滞だけでなく、一度にあちこちでローン契約を結んでいたり、家賃やスマートフォンの利用料金の支払い滞納をしたり、自己破産などの債務整理をされたことのある方は、『金融事故』を起こしたということでブラックリストに載ってしまいます。
こうなるとどこのローン契約でも大変不利になりますので、絶対に起こさないように気をつけましょう!

※光熱費の支払い滞納は金融事故に含まれません

デンタルローンの審査が通らない時の対処法

タブレットをもったスタッフの女性

先の章でデンタルローンの審査に通らない可能性がある人をご紹介しましたが、そんな方でもデンタルローンの審査に通りやすくする方法があります。

そこで、ここからはデンタルローンの審査に通るための対策方法を解説していきます。

既にローン契約している場合は全て返済しておく

貸金業法によって、個人がローンで借り入れられる金額は年収の3分の1までが限度と決められています。

年収600万円の方の場合、借り入れ可能な総額は200万円です。既に他社で100万円借りていると、デンタルローンで新たに借りられるのは残りの100万円のみとなってしまうので、この基準を超えないように調整することが審査を通る上でも大切なのです。

これまで何度も触れてきましたが、デンタルローンの申請より前に他社でローン契約(マイカーローン、住宅ローンetc…)を結んでいる場合、審査において不利になる可能性があります。

基本的でありながらも難しい問題ですが、新たな契約をする前に先に借り入れた分は完済しておくか、できるかぎり返済しておくことをオススメします。

なお、ローンの中にはクレジットカードの分割支払いや、奨学金も含まれていますので覚えておきましょう。

勤続年数を増やして信用度を上げる

ローンの審査において、借入人に安定した収入と返済能力があることは大切ですよね。

銀行などの金融機関はお仕事の勤続年数を重要視しているため、勤続している期間が長い方はそれだけでもかなり信用度のアドバンテージとなります。

収入の安定感という意味では、職を転々とする方よりも長くお勤めの方の方が信頼されるというわけですね。

デンタルローン申し込み時の条件で、『勤続年数〇年以上』と定められている場合もあります。
年数は金融機関によってまちまちですが、少なくとも2年以上勤続している方が良いでしょう。

連帯保証人や収入証明書、承諾書を用意する

これは主に専業主婦の方や学生さんに向けた内容です。

まず、安定した収入のない方は審査で弾かれる可能性が高いため、万が一自分に何かあった際に代理返済を請け負ってくれる連帯保証人を立てると良いでしょう。

配偶者が連帯保証人となる場合、その方の収入証明書も必要になるかもしれません。

また学生さんの場合は申し込みの際に親御さんの承諾書が必要となりますので、あらかじめ説明して書類を用意してもらいましょう。

たとえ歯の治療のためとはいえ、お金の貸し借りにまつわるセンシティブな内容ですので、いきなり書類を渡して「これにサインして!」と押し付けるのではなく、事前にしっかりと事情を説明することが大切ですよ◎

配偶者や親の名義で申し込む

ローンの契約は基本的に本人名義で行うものですが、収入や就学状況の都合で審査に通るのが難しい方は、配偶者や親御さんの名義で申し込む、という手もあります。

ただしこれは金融機関によってルールが違いますので、提携デンタルローンや銀行デンタルローンどちらであっても申し込む前に問い合わせておくと良いでしょう。

何らかの事情で周りの人にローンの契約を知られたくない場合、フリーローンであれば審査を通過する可能性があります。
しかし金利が高くなるため、あまりオススメはできません。

デンタルローンに関する良くある質問|Q&A

Q&A

インプラント治療など歯科クリニックでの高額な治療を目的とした利用に限定された『デンタルローン』。

その独自の仕組みや特徴はご理解いただけましたでしょうか?

この章では記事全体のおさらいを兼ねて、デンタルローンに関するよくある質問をQ&A形式でお答えしていきます。

デンタルローンは学生や主婦でも使える?

デンタルローンは学生や主婦の方でもご利用いただけます。

ただし、デンタルローンはフリーローン・クレジットカードローンに比べて金利が低いため、審査の基準も厳しく設定されています。

アルバイトで収入の低い(もしくは不安定な)方、専業主婦の方は返済能力が無いとみなされることも多く、何の対策もせず申し込むと審査の時点で落とされてしまう可能性があります。

そうならないよう、学生さんの場合は親御さんの承諾書を、専業主婦の方は配偶者やご親族の方に連帯保証人になってもらうなど、身元と代理人による支払いが可能であることを証明する書類を手元に揃えてから申請すると良いでしょう。

未成年の方は本人名義でローンに申し込むことができないため、親名義での申し込みになります。

デンタルローンの金利相場は?

一般的に、歯科クリニックと提携している『提携デンタルローン』の金利は約4~8%、各種金融機関による『銀行デンタルローン』は約2.5~8%に設定されていることが多いです。

フリーローンの金利(約5~15%)と比較すると、いかに金利が低いかがよくわかりますね◎

〇基本のおさらい〇

金利が高いほど分割支払い時の利息も高くなり、最終的な総支払額がどんどん膨れていってしまいます。
審査は厳しいですが、できるかぎり金利の低い(上乗せされる諸費用が少ない)デンタルローンを利用しましょう!

金利は、個々人の借入額・収入・同時に他社でローン契約をしていないか、などで変動します。
同じローンでも数字に倍ほどの幅があるのは、こういった理由によるものです◎

デンタルローンを利用しても医療費控除の対象になる?

デンタルローンの利用分も医療費控除の対象となります。

1月から12月までの1年間で支払った医療費が合計10万円を超える場合、確定申告を行うことで医療費の所得控除を受けることができます。

インプラントの医療費控除については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

お子様の通院へ付き添った場合、保護者の方の分の交通費も申請が可能です。
一方、インプラント治療にまつわる診断書の作成費用などは対象外ですのでご注意ください。

デンタルローンは何回払いまで可能?

デンタルローンの支払い回数は6回~最大84回払いまで指定が可能です。

先の章でシミュレーションを行ったとおり、デンタルローンならではの低い金利+支払い回数を増やすことで、毎月の支払額を1万円以下に抑えることも可能です。

逆に分割手数料を含む支払総額を抑えたい場合は分割回数を減らして、早めに完済することを目標として計画を立てましょう◎

注意点として、治療費の見積書をローン会社に提出し審査が通ったあとに、追加で発生した治療費についてはローンの金額に含まれません。

提出用書類を作成してもらう際には必ず自分の目でも内容を確認し、追加費用が出ないか質問しておきましょう。

デンタルローンの頭金は必要?

デンタルローンでは頭金は必要ありません。

そのため、現状で手元にまとまった資金がなくとも、デンタルローンを利用して治療をうけることができるのです。

ただし、あらかじめいくらか頭金を出しておくことで借入金額自体を抑えられ、それに伴って利息と総支払額も減らすことができます。

頭金を用意できるのであれば最初にある程度支払ってしまった方が後々楽かもしれませんね。

まとめ:インプラント治療はローンで月々の費用を抑えられる!

笑顔で歯を指さす女性
●本記事の要点まとめ●
  • 歯科治療用のローンの中では提携デンタルローンが一番金利が低い
  • 金利が低い分クレジットカードローンやフリーローンよりも審査は厳しい
  • 専業主婦の方・アルバイトの方は連帯保証人が必要になる可能性が高い
  • デンタルローンの支払い分は医療費控除の対象となる
  • クリニック提携会社がなくとも銀行デンタルローンなどの他の選択肢がある
  • デンタルローンは頭金不要、最大84回まで分割支払いが可能
  • 上手に利用するとインプラントなどの高額治療を諦めずに受けられる!

本記事ではインプラント治療などの高額な歯科治療を受ける際によく利用される、【デンタルローン】について解説してまいりました。

デンタルローンの金利は一般的なフリーローンとは違いかなり低く設定されており、審査は厳しいものの歯科治療の強い味方であることが伝わったのではないでしょうか。

「治療費がすごく高いから中々インプラント治療に踏み切れない」「デンタルローンとか医療費控除って聞いたことあるけど、なんだか難しそうでよくわからない…」そんなお悩みをお持ちの方の後押しができていたら幸いです◎

みなさんも提携デンタルローンや銀行デンタルローンなど、わたしたちの歯の健康をサポートしてくれる便利な制度を上手に利用してみてくださいね。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

編集部

編集部

インプラント治療については自由診療です

もし詳しく知りたい方は日本歯科協会のインプラントについてのページ(https://www.jda.or.jp/consultation/vol-22.html)を確認してみてください。

またインプラント治療でトラブルがあった場合は国民生活センターへ相談してみましょう。
国民生活センター: https://www.kokusen.go.jp/index.html

関連記事