看護師の仕事とは?必要な資格や業務内容・年収を解説

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看護師は「白衣の天使」とも呼ばれ、誰もが一度は憧れたことのある職業なのではないでしょうか?

テレビやドラマなどで目にする機会も多いですよね。

そんな皆が注目する看護師ですが、看護師になるにはどうしたら良いか、また看護師のお仕事の実際はどうなのかなど具体的なことは意外と知られていないのが事実です。

今回の記事では、看護師になるための方法や、テレビでは知ることのできない実際のお仕事の内容や気になるお給料面などについても具体的にご紹介します。

看護師という職業に興味を持っている人のお力になれるような情報をギュッと詰め込みましたので、是非参考にしてみて下さい。

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看護師になるために必要な国家資格

「看護師になるためには資格が必要」、「看護師は資格がずっと活かせるから強いよね」などという話を耳にしたことはありませんか?

看護師になるためには国家資格に合格し、看護師免許を保有する必要があります。

では、具体的にはどのような資格が必要なのでしょうか?

看護師国家資格

看護師になるには、厚生労働省により行われる看護師国家試験を受験し、看護師国家資格を保有することが必須です。
看護師国家試験は毎年一度2月中旬ごろに開催されます。

看護師国家試験は、「人体の機能と構造」、「疾病の成り立ちと回復の促進」などの10科目から出題され、

  • 必修問題(1問1点)
  • 一般問題(1問1点)
  • 状況設定問題(1問2点)

の3種類の問題からなります。

必修問題では必ず80%以上の正答が求められるという特徴があります。

一般問題と状況設定問題で必要な正答率は毎年変動します。

国家試験合格発表|厚生労働省 (mhlw.go.jp)によると、看護師国家資格はその年度に看護師になるための学校を卒業することが決定している人、また卒業見込みがある人のみ受験が可能です。

万が一卒業条件をクリアできなかった場合は、国家資格の受験資格が無くなってしまいます。

国家試験の受験後に卒業資格がなくなった場合は、国家資格の受験結果は全て無効となります。
合格発表は3月下旬となっています。

国家資格を受けるには大学・専門学校の卒業資格が必要

そもそも、看護師国家試験を受けるためには、国が指定した看護師になるための勉強ができる専門的な学校に入学し、卒業する必要があります。

それらの学校では、看護師国家試験の出題科目でもある看護師が身に着けておくべき最低限の知識や技術を学ぶことができます。

看護師育成の教育課程を修了してはじめて、看護師国家資格の受験資格が与えられます。

他の民間資格のように独学で受けることができるわけではありませんので、注意が必要です。

看護師の専門学校・大学

看護師国家試験の受験資格を得るためには、指定の学校で教育を受ける必要があることがわかりましたね。

看護を学べる学校にはいくつかの種類があります。

看護師になるために必要なことを学ぶという点ではいずれも同様ですが、学校によって卒業までに要する期間や、保健師などの他資格の受験資格を得られるかどうかなど、特徴が異なります。

大学や専門学校に入学するまでの流れや、看護師になるために通う学校の種類とそれぞれの特徴について確認してみましょう。

看護大学(4年)

看護大学では、入学から卒業まで4年間をかけて看護を学びます。

一般的には、高等学校での学習を終えた後、看護大学を受験し入学することとなります。

高等学校の卒業資格が無い場合は進学できません。
受験科目は他大学と同様、国語、数学、英語は一般的です。

その他の科目に関しては、大学によって理系科目(生物や物理など理科系)を重視した試験科目になっていることもありますが、受験生が文系・理系を選択した上で受験できる学校もあります。

看護大学と聞くと理系を想像する人も多いと思いますが、文系科目での受験が可能である学校もありますので、安心してください。

看護大学の一番の特徴としては、4年間の在学期間があることです。

看護短期大学や看護養成所と異なり時間的な余裕があり、大学によっては保健師や養護教諭などの看護師以外の医療専門職の国家試験受験資格も同時に得ることができます。

将来のキャリアについて考えた際に、看護師以外の選択肢も持っておきたいなという場合は看護大学への進学も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

看護短期大学(3年)

一般的な短期大学の在学期間は2年ですが、看護短期大学の一番の特徴は在学期間が3年間であるという点です。

4年制の看護大学と比較した場合、在学年数だけでみても少しハードになることがわかります。

看護短期大学への入学までの流れは、看護大学と同様高校課程を修了した後の入学が一般的です。

受験科目としては、大学と同様、国語、数学、英語が一般的です。

在学中は看護以外の一般教養なども学べることが多く、社会人として広い知識を身に着けることが可能です。

3年間で修了する必要があるためハードではありますが、看護大学に行った場合と比較すると1年早く現場に出て看護師として働き始めることが可能であるというメリットがあります。

少しでも早く社会人として働きたい、という人には適した選択肢ですね。

看護師養成所(3年)

看護師養成所も3年間をかけて看護を学ぶ場所になりますので、学習のペースなどは看護短期大学と同様となります。

看護短期大学と異なる点は、一般教養などの看護以外の科目の学習は少ない、もしくはできないという点です。

保健師助産師看護師法及び保健師助産師看護師学校養成所指定規則に、看護養成所の基準や教育について定められています。

引用:医療関係職種養成所情報

一貫看護師養成課程(5年)

一貫看護師養成課程の最も大きな特徴は、高等学校の課程から看護を学ぶという点です。

高等学校の看護に関する学科において、入学時から5年をかけて、一般科目と共に看護を学びます。

高等学校への進学は15歳時が一般的ですので、最短で20歳の時点で看護師免許を取得し現場に出ることが可能となります。

看護師として現場に出ることができる年齢は、高等学校卒業後に3年間の看護課程を経た場合では最短で21歳時、4年間の看護過程を経た場合では最短で22歳。

一貫看護師養成課程を選び順調に進んだ場合、他の方法と比較し最も早く現場に出ることが可能です。

高等学校進学前に将来は絶対に看護師として働きたいと意志が固まっている人にとっては、非常に嬉しい選択肢の1つです。

看護師の平均年収はどのくらい?

多くの人が憧れる看護師ですが、お給料面も気になりますよね。

「看護師は一生安泰」などと言われることがありますが、本当にそうなのでしょうか。

平均年収491万円

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 (mhlw.go.jp)によると、2021年度の看護師の平均年収491万8300円です。

平均年齢は41.2歳となっています。あくまでも平均年収であり、実際の年収は経験年数や職場によってもちろん異なることを覚えておきましょう。

令和2年9月に公表された国税庁の民間給与実態統計調査|国税庁 (nta.go.jp)によると、日本人の平均年収は436万円ですので、看護師の平均年収は日本国民の平均年収を上回っていることがわかります。

ですが、この看護師の平均年収は

  • ボーナス
  • 夜勤手当
  • 特殊手当、通勤手当などの諸手当

を含んだ額となっています。
また、手取り額ではなく、所得税や社会保険料などが引かれる前の額面です。

年収だとわかりにくい部分もありますので、月々に置き換えて考えてみましょう。

看護師の平均月収ですが、日本看護協会の調査によると

  • 新卒看護師の基本給が約20万円
  • 10年目の看護師の基本給が約24.5万円

となっています。

どんな仕事でもそうですが、経験を重ねれば重ねるほど給与もそれに見合ったものに段階的に増えていくイメージです。

月収だけで見るとさほど多くは感じられない給与ですが、看護師の特色でもある夜勤はその手当がかなり高く設定されています。

日本看護協会「2020年病院看護実態調査」96.pdf (nurse.or.jp)によると、看護師は毎月の給与のうち平均3.5万円~5万円程度夜勤手当が占めていることが明らかになっています。

夜勤は人間のサーカディアンリズムに逆らった生活リズムとなるため、想像以上にしんどいのも事実です。

大変な仕事があって、それ相応の給与が発生しているということがわかりますね。

夜勤と並んで手当が多いのが残業手当です。

看護師は業務内容や業務量が日々変わることが多く、時間内に勤務を終えることが出来なかった場合、残業が必要となります。

その残業時間に応じて発生するのが残業手当になります。

看護師だけでなくどの企業や業種であっても、残業代は一般的に「基本給を月の労働時間で割って出た時給に対して25%増し」にして計算することが多いです。

看護師はもともと給与の水準が平均より高いため、おのずと残業代もその分もらえます。

例えば月収が20万円、週休2日1日8時間のシフト勤務を想定した場合は、

  • 時給の計算 200.000円÷160時間=1250円
  • 残業時の時給の計算 1250円×1.25=1562.5円

残業した時間の分は、時給換算で1562円程もらえるという計算になります。

命を預かる仕事である分、給与は保証されていることがわかります。

職場別の平均年収

看護師として働きたいけれど、働く場所を悩む人も多くいます。

看護師と聞くとテレビドラマのように大きな総合病院で働くことを想像しがちですが、その他にも看護師が活躍できる職場は数多く存在します。

今回は年収というポイントで、いくつかの職場の違いをみていきましょう。

美容クリニックの看護師

美容皮膚科や美容外科など、美容医療は年々知名度が上がり、そのニーズも拡大してきています。

美容クリニックでは病院と異なり、基本的には健康な人を対象とした仕事になります。

美容外科手術の医師の介助や、レーザー治療や脱毛治療など美容医療の施術が主な仕事内容です。

美容クリニックでの施術、料金が高いイメージはありませんか?

それだけ最先端の技術や器械を使用しているということになりますので、もちろん美容クリニック看護師の給料は高めの水準であることが多いようです。

美容クリニックの看護師の年収例

  • Aクリニック 月収35万円(研修中は32万円)+ボーナス年2回
  • Bクリニック 月収36万円+ボーナス年1回

Aクリニックを基に年収を計算すると、35万円×12か月+ボーナス合計4か月分=560万円となります。

月収が高い代わりにボーナスが年に1回のみというクリニックもあるので、事前に確認が必要です。

美容医療という特殊な技術ではありますが、仕事しながら美について学ぶことができるため、美容に興味がある人には向いています。

ICU看護師

テレビドラマなどでもよく見かけるICU(集中治療室)ですが、ICUでは特殊勤務手当危険手当といった手当が出ることが多いです。

集中的な医療が必要であり常に観察やケアを行うことに対しての手当です。

臨床開発モニター

臨床開発モニターの看護師という職業はあまり聞きなれませんよね。

医療現場では、治験といって薬の効き目を臨床的に確かめることが日々行われています。

臨床開発モニターはその治験が法律やルールを遵守したうえで適切に行われているかどうかをモニタリングし、製薬会社と主治医、その他の医療職との連携を行うコーディネーターのような役割をもちます。

病院の看護師のように患者さんと直接的に関わる場面は少ないですが、治験を通して新薬が認められることで、患者さんにより良い医療が提供できるといった点で大変やりがいのある仕事です。

訪問看護師

訪問看護師は、地域で生活する医療ケアが必要な患者さんに対し、基本的には患者さんのお家を訪問した上で看護を行うことを仕事とします。

病院にいる患者さんと比較すると、病状が比較的落ち着いている患者さんが多いです。

患者さんの病気だけでなく、生活を支えることが必要ですが、高齢化が進んているわが国では地域医療のニーズが年々高まっているため、訪問看護師の仕事内容は大変充実しています。

当番や当直がある場合を除いて、夜勤がないことも大きな特徴です。

老人ホーム

老人ホームで働く人の中で最も多いのは介護士ですが、実は看護師も勤務しています。

老人ホームには、高齢者に多くみられる認知症を患った人や身内の人がおらず一人での生活が難しい人などが多く入所しています。

高齢者なのでもともと抱えている持病なども多く、服薬やバイタルサインなどの管理が必要になりますので、そういった看護ケアを行うことが主な仕事内容になります。

夜勤専従

看護師の勤務形態というと、日勤や夜勤を交代しながら回す交代勤務が一般的ですが、中には夜勤専従といって夜勤だけを行う看護師が存在します。

仕事は夜勤のみですので、交代勤務と比較すると比較的生活リズムを整えやすく、夜勤手当が多くもらえるのでお給料も確保できる魅力的な仕事です。

夜に強い人には向いているかもしれません。

まとめ

今回は看護師になるための方法や、看護師の年収などについてご紹介しました。

ポイントをまとめると、

  • 看護師になるためには、専門の教育を受け看護師国家試験に合格し、免許を得る必要があある
  • 看護師になるための学校は自分の人生設計やライフスタイルに合わせて決めることが可能
  • 看護師の平均年収は日本人の平均年収より高いが、経験年収や職場、業務内容によって年収は異なる
  • 看護師の働き先には、病院だけでなくさまざまな職場がある

となります。
少子高齢化に伴い、日本では慢性的な看護師不足が問題になっています。

働き世代の若者に対する高齢者の比重は、今後もどんどん大きくなっていきます。

こういった社会情勢を受けて看護師へのニーズはどんどん高まると考えられますので、一度看護師の資格を持っておけば働き先に困ることはそうそうないはずです。

一般企業では新卒でも就職難が多い中、看護師は職場に多くの選択肢があるためその点では長く働きやすく、これが「看護師は生涯安定」と言われる一番の理由かもしれません。

1つの職場で働き続けることももちろんキャリアアップになりますが、数年のスパンで職場や分野を変えてみるのもおもしろそうですね。

看護師の仕事に興味がある人は、どのような学校に行って看護を学んで、免許取得後はどのような看護師になりたいのか、どのような現場で活躍してみたいのかを考えてみるのもおすすめです。

入学試験や国家試験へのモチベーションもあがりそうですよ。

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